Jerry

七人の侍のJerryのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
4.8
象徴的なリーダー像を努める志村喬ではなく、野蛮な侍?の三船敏郎がジャケになっているところがこの映画の肝であるように思う。これは侍の映画であり、百姓の映画でもある。

映画は大きく
1.仲間を集める
2.作戦を練る
3.戦で村を守る
の3つに分けられ、時間も大体3分割されている。
とにかく上映時間が長い。3時間27分もの邦画って今じゃ考えられないし、眠くはならなかったけど休憩時間になった時まだ半分かと少し驚いてしまった。

しかし演者の演技は圧巻で、その映し方も素晴らしい。映画音楽は白黒画面に彩りを持たせ、突然音楽がミュートされた時に解き放たれる緊張感は何度もシビれた。

それでいてCGは一切なく、雨中の戦での馬と人が弾く水しぶき、泥しぶきがリアルそのものであった。


そして映画では侍と百姓を対比させて強き者と弱き者を表現している。
この二項対立は非常に分かりやすく、だからこそ残酷に映され、その中庸にいる三船敏郎の演技がこの映画の1番の見どころだ。まさにジャケのシーン。
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