Ryan

青空娘のRyanのレビュー・感想・評価

青空娘(1957年製作の映画)
3.4
空に向かって叫べば何か解決するのだろうか?


ストーリー
田舎で祖母と暮らしていた小野有子は、死去前の祖母から自分が父の不倫相手との子供だと知らされる。上京して父親の一家と暮らす有子はその家で女中あつかいをされるが、明るく気丈に振る舞おうとする。


主演 若尾文子


舞台を観ている気分。
全て解決チャンチャン!とは思わないし、思えない。
この先の物語も気になるし、これから先を観たい気持ちになる。

スケールは小さいが、この時代の生き生きとした人々の心情を感じられる。
やはり新中野駅のインパクトと今の我々が知らない「東京」という街がこの映画には確かに存在しており、それが当時は新鮮でリアルだったのだろうが、今ではまるで御伽噺のような気持ちにすらなる。

若尾文子演じるユウコがたくましく勇気溢れすぎて逆に苦手。
便乗するかの様に登場する男達も"マヌケ"ばかりで正直わからない。
1人の女性の自立という意味ではとても強烈でユーモア溢れるものがあったが、この当時女性が1人で生きる事は大変だったのではないだろうか?
それがわかっているからこそのラストで私には"妥協"にしか見えなかった。

現代の価値観とは全く異なる物が存在しており、それに憧れを抱きつつ「時間の流れでこうも人間は変わるのか」と驚かされた。
Ryan

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