Godfather

佐賀のがばいばあちゃんのGodfatherのレビュー・感想・評価

佐賀のがばいばあちゃん(2006年製作の映画)
3.9
映画版2種とTVドラマ版があるらしいが、最初に映画化されたこれしか観ていない。

冒頭、子役のあまりの下手っぷりに思わず見るのをやめそうになったが、レビューとか見ると『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』よりはマシらしいので、まああっちはよっぽどひどいのだろう。成人した明宏(三宅裕司)が過去を回想するという演出もいらないというか、そこだけ浮いてる感じもする。そして全体に学芸会のような安っぽい演技が気になる。

とここまで書くとよほどダメな映画のようだが、不思議と退屈しないのは、やっぱりそれを埋めるだけの魅力があるからだろう。
前半一番の見どころは豆腐の真ん中に指でドボンと穴を開ける緒形拳だ。これだけで十分もとは取れたという気になる。

中盤からがばいばあちゃんの名言が次々と炸裂する。まるでゴッドファーザーのように格言めいた名台詞のオンパレードだ。
「うちは明るい貧乏やけん良かと。それに最近貧乏になったわけじゃなか。先祖代々貧乏やから自信ば持て」
なんて聞くとほんとに貧乏に生まれたほうがいいような気になってくるからすごい。
最初は吉行和子のおばあちゃん役が、おばあちゃんというには若すぎるし貧乏という設定の割には上品で小綺麗すぎるなあ、と思ってたのだけど、これを演じたときの吉行和子って70越えてたってのに驚き。それだけ吉行和子の若々しさがすごいということか。

後半の主役はなんといっても山本太郎だ。演技も味があるし、佐賀弁もうまい。クライマックスのマラソン大会の場面は山本太郎の泣きっぷりがよくてこっちまでつられて泣きそうになった。この人俳優になるべきだったんじゃなかろうか。
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