Hachi

桐島、部活やめるってよのHachiのレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.6
「正欲」からの朝井リョウさん繋がりで久々に見てみた。
なんでかわからないけど、今見たほうが断然刺さった。

11年前の映画だけどいまだにこの作品を特別に思ってる人が多いことにも頷ける。

学校における部活って超重要なコミュニティだから、それが実質ヒエラルキーを決めるし、社会においてどの会社に所属するかと似たような重要性を持っている。でもむしろそこに依存せず遊んでる奴らがパッと見はイケてたりする。けど、実際は彼らもなにかと理由をつけて迷ってたりする。
(こうやって見せられる社会の縮図はノスタルジックで愛しくもあるし、かなり辛かったりもする。)
そのヒエラルキーのトップであり、拠り所だった桐島がいなくなって顕になる、各々の軸足の不安定さ。

陰キャグループと陽キャグループがぶつかり合うクライマックスシーンはなぜあんなに泣けるのか…
全部のキャラの視点からその立場ならではの苦悩を丁寧に見せてのアレだからだろうな…
誰を見ても少しずつ自分を投影できる部分がある。

一番印象強いのは野球部のキャプテン。
この人のことだけは10年程前に見た頃からずっと覚えてた。側から見たらすごいダサいことやってるのに、死ぬほど愚直で眩しいのよね…
それが東出くんの心を揺さぶる。

そして映画部、かっこいいんだよなあ…
「それでも生きるんだ、この世界で」(うろ覚え)的な台詞に全部が詰まってる…。
ヒエラルキー上位の人たちは彼らを笑うけれど、自分の世界で、自分の信じるものだけを見つめて生きている彼らに桐島の不在はお構いなし。
神木隆之介に勇気付けられた文化部員たちがどれだけいるのだろうか…

それにしてもほぼ全員、のちに第一線で活躍するスター俳優になってるのがすごい。
鈴木伸之くんはイカツすぎて判別がつかないよ…
太賀くんかわいいよ…
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