このレビューはネタバレを含みます
忙しいのも落ち着き、メンタルも安定してきたので2022年1本目。「ねじ式」に続き浅野忠信。
手塚眞作品はヴィジュアルが素晴らしいのは勿論、原作に対する解釈が一般人のそれよりもぶっ飛んでて結構好きかも。これを観た後に坂口安吾の『白痴』を読んでみたけれど、いい意味で原作をぶっ壊しているな〜という印象。浅野忠信演じる伊沢に限らず手塚眞が描き出す主人公は常に自我が希薄であるのに、ここ?ってタイミングで変な自我が芽生えるのが結構面白い。原作ではあまり感じなかったけれど、相手の女が白痴であったからこそ自分の思い通りになりやすく、伊沢が主張する「芸術」になり得る存在であったのかな、とも感じた。本作オリジナルの銀河も白痴の女と対になる存在のようで良かった。触れられることに喜びを感じる女と「男は肉体って聞くとすぐにセックスを連想する」って言う女。