Dio

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のDioのレビュー・感想・評価

3.6
見ず知らずの、電車で会った二人が互いに気持ちを通わせ、ウィーンの街を一晩中喋りながら歩き続ける。
男は次の日にアメリカに帰るための飛行機へ、女はパリに帰るための列車へ、それぞれ別のみちを行く。

自分に自信のない人間は酒を大量に飲んで下らないけども害のない話に終止することを望むのはどこの世界でも一緒なんだね。

多くの人は僕同様に、一人と一晩中、様々なトピックを語り合いながら街を歩くだけの度量は持ち合わせてないかもしれない。多分途中で疲れて眠くなってしまうし、飽きる、もしくはセックスでもする。

だけどこの二人はこの平和的で安易な魅力に溢れてる方法を望まなかった。

二人は歩く、話す、一晩中。
この小さないけども難しいことを容易な事のように魅せる二人の関係がこの映画の魅力だ。
特に彼らが自分の友達に電話をかけるっていうごっこ遊びをしたとき、とても印象的だった。
彼らは友達に説明する、相手に対する印象、どこが素敵か、実は偶然を装ってたけどわざと隣に座ったんだよという告白。
隠されてた小さな秘密がごっこ遊びによって晒され、お互いの好意をこんな風に伝える二人を見てにやけてしまう。

互いの好意は確認しあえているのに、明日からの距離が二人を理性ある大人としての行動を強いる。女はプライドから、男は女に言われて、それに納得する。そして連絡先すらも交換しない。
でもそんなのお互い望んじゃいない、望むのはお互いが再び道を交えること。大人の理性じゃない。
それに気づくのは電車が発車する一分前。二人は半年後にこの場所で再会を約束し、列車は走り出す。

「君とこのまま永遠にさよならをするくらいなら、君と結婚することを選ぶ」
多分そんなものだと思う。不合理な選択肢を僕らは感情に委ねてしまう。愚かしく、そして人間らしい。

二人の続きが気になる終わりの映画ってのは多くてこれもそうだけど、この映画の違うところは次回作があって続きが見れるところ!今から見ます。

23th DEC 2015