人間は美しいものではない。人間と人間の関係性の中に美しさが宿る。その美しさはまるで魔法のよう。
その魔法について語る映画だった。男女の出会いと別れ、これだけの話なんだけどここまで幸せな映画って初めて見たかもしれない。しかも良いのが幸せってこういうことですよ、ドン！じゃなくてジワジワと自分の体に染み込んできたこと。
2人の言葉や目線、体の距離や触れ合い方、人間同士のハッキリとは認識できない空気感、その醸成のされ方がとても良い。
微妙な距離感の探り合い、これこそ人間が深く愛し合うまでのプロセスなんだ、というのを良い意味で凝縮して見せられたという印象。
でも二人は恋愛のプロだなと思った。だってうまくいきすぎなんだもの笑
きっと恋愛は目に見えない宝物を探し出すような共同作業、しかも傷つきやすく、少しでも力の入れ具合を間違えたら壊れてしまうような脆いもの。
そんな化石発掘のような熟練作業を2人は手慣れた手つきで見事にやってのけたなって思った。
恋愛という、目には見えない特殊ルール、暗黙の了解、これを分かってるやつらが魔法にかかり夢の中に入り込める条件なんだ。
