終戦から10年の大阪。復興、発展から取り残された貧しい人たちの生活が子供目線で描かれています。10年で戦争の傷が癒えるはずもなく、彼らは間違いなく戦争の犠牲者。
友達だから。それ以外に理由などなく貧富の差や大人の事情など関係ない子供達の純粋な友情がとても美しいんだけれど、貧富の差は日常の至る所に潜んでいます。
子供なりに大人の世界を理解してしまうことの残酷さに胸が苦しくなって、泣きたくなる。とにかくやるせない。おそらく泥色であろう汚い河を流れる船を見て自分もただただ呆然とすることしかできない。
子供達の表情一つ一つが一生忘れられないほどに強烈に脳裏に焼き付きます。