早川千絵が映画作家を志した作品ということで鑑賞。1981年の作品なのでモノクロスタンダードはあえての仕様。
『ルノワール』との類似点が山のようにあった。子どもが大人の世界を知っていく話だったし、老…
もはや戦後ではない。いやいや、庶民の生活にはまだまだ戦争の色が見て取れる。
そういう時代で子供だってうっすら分かってる。雰囲気から察することができる。自分たちに横たわる"違いを"。
そんな大人び…
おのおの傷を抱えていながら、やさぐれているものは誰一人としておらず、加賀まりこ演じる遊女でさえも、どこか慈しみや優しさを湛えていて、まあ恐らくこれを見て嫌な気分になる人はいないだろう。ただ、戦後日本…
>>続きを読む高度経済成長期直前の大阪・安治川河口を舞台に、河畔食堂の息子である少年・信雄と、対岸の廓舟に暮らす姉弟・喜一と銀子とのひと夏の交流を通して、未だに癒えない戦争の傷や貧困に喘ぐ庶民の暮らしぶりを詩情豊…
>>続きを読む今更ながらご多分にもれず早川千絵監督の学生時代のお話を聞いて観てみました。
戦後のネオリアリズモを思わせる白黒フィルムの映像だけでなく、少年少女の描き方は繊細で感情が伝わり方は半端ない作品となって…
先週のイベントで、早川千絵監督が、「11歳くらいの時に、学校で『泥の河』を見て、子供のことをよく分かってくれている、こんな映画を作りたいと、映画監督になることを決めた」と話していたので、見てみた。
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少年にとっての船の不思議さが、鯉の不思議さが、情事の不思議さが伝わってくる。あるいは恐ろしさが。私は少年の心をもう忘れたけど、この映画を見たら少しだけわかるようになる。なぜ制作チームはそれをできるの…
>>続きを読む子供のままで良かったのに、大人にさせられてしまう少年の経過を見せつけられる辛い作品だった。
この世には、
・子供
・大人にならざるを得なかった子供
・子供のまま大人になった者
・大人(他者の痛み…
木村プロダクション