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カイロの紫のバラのNのレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
3.5
レビュー1000本目!祝!🥲🌸

夢のようなお話から一気に現実世界へと引き戻すラスト10分にこの映画の良さがあります。

映画という虚構の世界から飛び出して来た彼と、現実を生きる俳優の彼、どっちを選ぶかいうと、実際のところどっちも本物ではないんですよね。このプロットが面白かったです。

彼女のもとに残る確かなる愛とは、きれいで純粋なものではないのです。。
愛の真実は、ときに酒と暴力と浮気の混じったものだったりするんですね。。

スクリーンを見つめる彼女の表情からは、後悔も恨みも絶望も無いように見えました。彼女は現実をちゃんと生きていける女性で、映画はあくまで夢物語なのだと、最初から理解しているのだと思います。

哀愁の中に強かさも感じとれるような、ウディアレンの描く女性像が私は大好きです。

少し寂しさを感じますが、ウディアレン好きの方であれば思わずにやっとしてしまうラストカットでした。
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