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脳内ニューヨークの記録のネタバレレビュー・内容・結末

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2017,11月末鑑賞。
周囲から孤立しながらも自分の求めるものを探して作品を作り続ける姿が某アーティストに繋がり辛く苦しかった。一般的な常識は持ち合わせていながらそれに合わせることなく真相とは何かを探り続ける。普通とは何か、なにが真実なのか、ストーリーの主人公は誰なのか。追い求めるが故に莫大な費用と期間をかけて最後は独り。一番死に近いと思われた自分が、娘より、愛した人より、誰よりも、長生きする皮肉さ。
外から見れば、輝かしい世界。オーディションを受けに来る人は絶えずいるし、取材もスポンサーも多数。でも、その中にいる人はゴールの見えない作品作りに疲弊し不安を持ち続ける。恋愛沙汰が絡み、自殺する者も。

まるで某氏のようだと重ねてしまった。これはホラー映画です。もっと楽観的にはなれないものか。こだわりは捨てられないのか。捨てたものの先にまた新しい何かは待っていないのか。

アーティストの独走は恋人や家族の理解がなければ成り立たない。でもさ、そんな恋人は果たしているのか!?勝手気ままを許し、独走を許し、全てを認めてくれる恋人。そして、居たとして、その恋人同士は幸せになるのか、子供ができたとふれば、その子供は幸せなのか。
ビートたけしの映画、アキレスと亀を思い出す。

ああ、私はそっちの世界には行けないよ。それをするには余りにも普通を大切にしてしまっている。そこから脱する勇気と覚悟とエネルギーはない。
そして、私は今の自分の生活が大好きであり、今の自分が大好きなのだ。

がんばれ、アーティスト。遠くから応援してますよ。
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