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脳内ニューヨークのttrrのネタバレレビュー・内容・結末

脳内ニューヨーク(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公のケイデンの不幸アピールが鼻につくし、ものすごい速さで時間が過ぎるし、何がしたいのかよくわからないしで、困惑しながら観ていた。しかし、エレンの母役と話すシーンで涙が。
おそらくケイデンは、自分自身の人生を劇にして”悲劇の主人公”になることで、自身の人生を正当化しようとしている。だから延々と劇を完成させなかったのは、神の立場である演出家に居座り続け、自身の不幸と距離を置こうとしていたんだろう。
ケイデンがエレン役の女性と交代し、彼女から指示を受けることで、”他者の気持ちを考える”ことを体験する。「自分が作り上げたフィクションの中で人生の光明を見る」というのが、フィクションを糧に生きている自分の心に響いたのだろう。
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