スーパーエイプマン

水戸黄門 助さん格さん大暴れのスーパーエイプマンのレビュー・感想・評価

3.5
東映水戸黄門最終作。監督は沢島忠。
言ってみればこれは松方弘樹と北大路欣也を主役としたアイドル映画である。助さん格さんを演じる両名はこの時点ではまだ10代!この2人の若々しいエネルギーが画面いっぱいに満ち満ちており、黄金時代東映時代劇のハッピーでパッパラパーな世界観と強烈にマッチしている。
ラストは生類憐みの令=犬には手出し出来ないという理屈を逆手に取り、2人は犬を引き連れながら五代将軍徳川綱吉と老中柳沢吉保に殴り込む。大人数がぐちゃぐちゃになっての百姓一揆のような迫力はそれ自体素晴らしいが、遂には柳沢を斬り殺し綱吉に刀を向けるという『イングロリアス・バスターズ』みたいな怒涛の展開を見せる。オチはあるものの、シリーズ物時代劇のお決まりパターンを打ち破るアナーキーな展開と主役2人の魅力が詰まったエネルギッシュなメタ・水戸黄門だ。