ぞら

グリーン・デスティニーのぞらのネタバレレビュー・内容・結末

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

CGとカット割りに頼らないアクションはさすが!
学生時代使っていた下敷きを思わせる柔軟性の武器、鳥もビックリの空中浮遊、大自然の中に溶け込む寺院、武侠映画でお馴染みの面々…
これが観たくて借りたのだ!
ストーリーは1でもこれらの要素でアクションの勉強になったからいいじゃないか!



…と思っていたのだが…
わしはどうしても今作のヒロインが好きではない
憎しみすら覚えるレベルだ

ヒロインがどうしてこうも暴れ回っているのかがわからない
沛艾のヒロインを手懐けた恋人はまともかと思いきや、こいつも大馬鹿で嫁入りの際大勢の前で「俺と一緒に来い」と暴れ回る
まさに『プロポーズ大作戦』状態
これだけでもイタイのに救いがないのは、そこでヒロインが動かないこと
作戦失敗な上に役人から命を狙われ、リーとユーが匿ってあげる
それをしっても尚好き勝手に暴れ回るヒロイン

まぁこれは戦いで大袈裟にしてるだけで、思春期特有の誰に向けたらいいかわからない感情とかを表しているのかもしれない
だからこそ保護者的ポジションのリーとユーはヒロインを殺すどころか斬りつけるまではしない
こっちがどんなにやられようと見守り、導くスタンスを変えようとしなかった
ヒロインに思い知らせてやれ!とイライラはするものの、この2人の武芸者としての徳を見せつけられるいい設定だと思う
この2人、なかなか互いの想いを打ち明けられないが、そこがヤキモキはするも脆い絆ではない為好感が持てる

だからこそ、2人を通じてヒロインがどう成長するかが観たくて1時間50分も我慢していたのだ!
ここに来てやっとリーを助ける為にヒロインが動く!
正直、毒って個人の頑張りで回りを遅めることができるものか?と現実主義なもう1人の自分が顔を覗かせるも、ヒロインの成長への大感動が待っているんだと自分を落ち着け、見守っていた


するとどうだ⁉️
間に合わずにリー死んじゃったよ⁉️
死ぬ直前のリーとユーの愛は美しかったが、ここギリ間に合う所でねえのか⁉️

⭐️間に合って命は取り留めるもリーの体には重い障害が残ってしまう
しかし剣を握れなくなって武の道に諦めがついたリーは、ユーと穏やかな余生を過ごす
ヒロインも恋人と共に修行に励み、家族も納得するような立派な剣士になり、グリーンデスティニーが私的に使われることがないよう護る一族となる⭐️

ってぇのを期待してたわけよ⁉️
死んじゃったよ⁉️(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

いや、でもまだ希望はある
ユーはヒロインへの憎しみよりも、やはり導くことを選ぶ
「自由に生きなさい」と立ち去るユーに、ヒロインは呆然とするしかなかった…
その足でユーダンへ


いいぞ
自分のせいで2人が死別したんだから、恋人と再会しても抱きしめてもらう程度で我慢してないと2人に申し訳が…


寝てる⁉️
もつれあってるよ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
己が欲望のまま自由に生きすぎ‼️
何やねん⁉️
成長しねえな‼️

いや、待て待て
伝説のこと話してる…
清水の舞台の何百倍もの高さを飛び降りるつもりだ‼️
慎重に…
何をお願いするかで今までのこと全てが報われるぞ…‼️

ヒロイン「何をお願いするかわかる?」
恋人「…あの荒野へ…」
微笑んだヒロイン飛び降りる


はい。
最悪です。
2人とも自分のことしか考えない馬鹿でした。
最後まで自分達の幸せしか考えず行動した大馬鹿ップルでした。


ここで欲しかったのは
「ヒロインが命を賭してまで叶えたかったこと」
が自分の為ではなく、他者のためにした行為ということ
自分の自由の為に無鉄砲な剣での戦いに命を惜しまなかったんだから、その逆をいかなければ成長したといえないのではないか?
ヒロインが願ったことは何だったかはわからないが、まさか死の直前で自分と全く違う考えを言った恋人に絶望して飛び降りたなんてことはないだろう

裕福でなんの苦労も知らず、たまたま習った武芸で勝気になり恋人と出会い、荒野での生活が1番幸せだったからそこに戻りたい

と願ったならば、これ程最悪なオチはない
せめて恋人が何も言わないか、恋人に黙って逝くべきだ
そして願いは「大切な人を失った人達の心が、少しでも穏やかでありますように」など、ユーを想うのは1番のこと、自分が死んだ後の恋人や家族を思いやるような願いであって欲しかった

本当ならば、リーとユーの教えを大切に生きるのが筋だろうけど💢
ユーも「自由に生きなさい」ではなく、「自分と、自分を想う人を守る為に生きなさい」ぐらい言って欲しかった


もしかしたら伝説の通り傷1つなく降りて、ヒロインは幸せに暮しましたってオチもあるんだろうけど、そんなオチならわしがあの山から飛び降りたい
そして願おう
この馬鹿ヒロインがどうか生きていませんように…と
ぞら

ぞら