ヨシミ

戦場のヨシミのレビュー・感想・評価

戦場(1949年製作の映画)
3.4
第二次世界大戦後の四年後に作られただけあって、戦勝が先に立ち、内省ムードは見られない。
戦争ものだが、ジョークも多く、余裕すら見られる。
当然、敵も味方も死ぬ。ただ、そこに哀しみは描写されないが、映画はその当時の空気感を確実に捉えていた。勇ましい戦記ものでも、士気は平気で下がるし、厭戦の様子さえ伺える。
人の生き死は、呼吸をする様に自然のことであり、仲間が死んでもすぐに切り替えて、目の前の任務に励む。誰がこの世からいなくなっても同じことで、その人間性の無さを看破している。また、既に戦勝国のアメリカですら兵隊は消耗品としてしか見られていない事が照射されていた。戦争映画としても優秀だが、終わりの方でカットから反戦の意図が見出せる。
そして、ラストシーンではあらためて戦争は物量だと思い知らされた。
ヨシミ

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