文芸超大作。恐らく炭鉱の町丸ごと作りあげたオープンセットが凄い。エキストラの数も半端なく、もう監督が誰であっても全てを制御するのは無理な話だろう。主役は流れ者の革命家？のルノーのほうで、10人家族のドパルデュ一家は脇役なのだが、例えば、仕事から帰ってきたドパルデューが顔も洗わず赤ん坊を抱っこしながら飯を食い始めて、引きのショットになると、娘がタライで体を洗っていて、飯を食い終わった息子たちが次々と体を洗い始める場面等、生活描写が秀逸。後半はストライキの場面が中心でダイナミック。原作は読んでないのだが、恐らく忠実に映画化したのだろう。地下に降りる昇降機、トロッコの重厚な音。一回だけある祭りのシーンの美しさ。女性も炭鉱内で働く過酷さ。暴動の狂騒ぶり(チンコ切りは忘れ難い)など、印象に残るシーンが数多くあった。
