“透視能力”と聞いて
あなたは何を思うだろう。
怖い 試したい あり得ない
答えは様々あるように
彼女を取り巻く人々も様々すぎて
ホラー要素よりもずっと恐ろしい。
そこを勇敢に乗り越えるでもなく
疑心暗鬼なまま進んでいくのが良い。
能力者と言えど自信が持てず
弱く盲目な人間として怯えながら
不器用な優しさを貫く姿。
伝わるか伝わらないかの
微かな心の触れ合いがドラマとなる。
泣けた。
主人公の息子達の目線から
脚本を書いたビリー・ボブの
少年時代を構想できる。
彼の母親は実際に霊能者だそう。
救いを求め詰め寄る人らを
客ではなく知らない人とみなす
子供らしい目線も愛おしく
そこが彼女の盲目な部分でもあった。
弱く盲目な人間は強さと理性を
持つべきだという話ではない。
周りも自分も弱く盲目だと知ること。
だから寄り添う優しさで
暗闇に光を当てる。
彼女の能力-ギフト-とは
超自然的な意味での特別さではなく
優しさという普遍的な能力だと思った。