andrew

ギフトのandrewのレビュー・感想・評価

ギフト(2000年製作の映画)
5.0
“透視能力”と聞いて
あなたは何を思うだろう。
怖い 試したい あり得ない
答えは様々あるように
彼女を取り巻く人々も様々すぎて
ホラー要素よりもずっと恐ろしい。

そこを勇敢に乗り越えるでもなく
疑心暗鬼なまま進んでいくのが良い。
能力者と言えど自信が持てず
弱く盲目な人間として怯えながら
不器用な優しさを貫く姿。
伝わるか伝わらないかの
微かな心の触れ合いがドラマとなる。
泣けた。

主人公の息子達の目線から
脚本を書いたビリー・ボブの
少年時代を構想できる。
彼の母親は実際に霊能者だそう。
救いを求め詰め寄る人らを
客ではなく知らない人とみなす
子供らしい目線も愛おしく
そこが彼女の盲目な部分でもあった。

弱く盲目な人間は強さと理性を
持つべきだという話ではない。
周りも自分も弱く盲目だと知ること。
だから寄り添う優しさで
暗闇に光を当てる。
彼女の能力-ギフト-とは
超自然的な意味での特別さではなく
優しさという普遍的な能力だと思った。
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