ナガサワ

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャーのナガサワのレビュー・感想・評価

4.7
マーベル作品イッキ見⑤

「キャプテンアメリカ•ザファーストアドベンチャー」

めちゃくちゃ面白い。
公開順にトータルで5本見たがダントツで好きだ。

とくに語りたいのがハルクの感想で書いた、コミックを実写映画にしたときの歪みについて。
大真面目にダサすぎる技名を叫んだり、シリアスなシーンなのにコスプレの変態がスクリーンの中央にいる問題。
本作ではこのヒーローもの実写映画における最大の障害をほとんど解消していた。

本作における障害はやっぱり奇抜すぎるコスチュームだ。
コスプレ衣装をどう違和感なく画面に溶け込ますか。
その答えが、コスプレにしか見えない衣装を劇中で堂々と「これはコスプレです」と宣言していること。
具体的にはスティーブの「アメリカの役に立つことができた、タイツ姿だけどね」って言う皮肉ぽいセリフ。
このセリフがあることで、作中の世界観の登場人物達にとっても奇抜な衣装であることを強調し、観客が感じる違和感を世界観の中に溶け込ますことに成功している。
コスプレ姿で戦場に行かなければいけない理由も上手く作り込まれていて、あまりの自然さに感動した。

さらにはコスプレを利用した面白いシーンもある。
キャプテンアメリカがマスコットキャラクターとして戦意高揚のために舞台でスピーチをするシーン。
戦争中独特の狂った明るさが見せ物として楽しいし、その裏に秘めたスティーブの内心を想像させる素晴らしいシーンだ。

コスプレの違和感をなくすだけではなく、コスプレであることで物語の魅力を増しているのが凄すぎる。
もはや派手すぎる盾を持って隠密行動をしていることすら、かっこよく感じてしまう。
「アメリカってこういうもんだろ?」っていう無言の圧力が気持ちいい。

そして新衣装ではスティーブがちゃっかりデザインを依頼していて、コスプレにハマっちゃってるのが可愛い。

ただ一つだけ残念な点もある。
これは多分日本人だけが感じる事だろうが、敵キャラが男梅にしか見えない。
流石に赤すぎるだろ。
どう実験を失敗したらそんなに赤くなるんだよ。
キャプテンアメリカの盾に使われている赤色より赤いぞ。
それ以外はストーリーも面白いし、スティーブの魅力もちゃんとあるし、ヒロインも良いだけに少しだけ残念だ。

これはもうこの映画が悪いというより、男梅を生み出したノーベル製菓株式会社が悪い。

以上