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インディア・ソングのりのレビュー・感想・評価

インディア・ソング(1974年製作の映画)
4.1
映画において、音とは映像の忠実な従者とばかり思っていた。
画面に映る人物たちはただそこにいるだけで、決して口を開かない。誰かが会話していることは確かなのに、映像と音が合致することは一度もなかった。
カメラが人物をそのまま捉えているのか、それとも鏡越しに捉えているのかすらわからなくなる。
落日で始まるこの映画は退廃的で、そして静謐だった。乞食女の歌と副領事の叫びだけが動的。タルコフスキーとはまた違う哲学がある。
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