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アフター・アワーズのkogureawesomeのレビュー・感想・評価

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)
4.0
過去鑑賞。

奇妙な味の映画。

真夜中のニューヨークで、主人公の男性が、ただ家に帰れなくなる一晩の話。
道に迷ったり、事件に巻き込まれてとかではない。

事故とか犯罪とか怪我とか詐欺とか誘拐とかそういうのも無い。
なんだかカフカとか安部公房の小説みたいだけれどもマーチン・スコセッシの映画である。

スコセッシの映画を見続けていると、善人には興味が無いのだろうなと思える。
『タクシー・ドライバー』『レイジング・ブル』『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』『ミーン・ストリート』とか。
あっ、でもスコセッシ映画には『沈黙』『最後の誘惑』『クンドゥン』みたいな宗教がらみもあるのを忘れていた。

この映画はスコセッシの映画では珍しく犯罪者とかギャングとか宗教者が主人公ではなく、一番一般人に近いものじゃないかな。

かなり変わった映画ではある。あまり話題にあがらす、忘れられがちな映画だと思うけれど、なんか好き。

ヘンリー・ミラーの『北回帰線』がきっかけで、主人公と知り合うロザンナ・アークウェットも印象的だった。
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