井出弐等兵

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見るの井出弐等兵のレビュー・感想・評価

4.0
くやしいっ…ビクビクッ!!
正直、AKB48の事は特に気にして見てなかったけれど、
こんなの見せられたら、応援せざるを得ないじゃないか!

今や国民的アイドルグループとなるAKB48の2011年に密着したドキュメンタリー第二段!
バックステージ・移動中など、ところ構わずカメラを回し続けた結果、
カメラはまるで空気であるかのように自然な彼女たちの姿を映し続ける。
そのレンズの先には傷つき、それでも立ち向かっていく少女たちのありのままの姿が描かれる。

過酷な状況に追い込めば追い込むほどに新たな魅力が溢れ出す。
満身創痍な彼女たちの姿を楽しむという残酷エンターテイメント。
少女たちは傷つきながら夢を見るというよりは、
傷ついたてもなお立ち上がる少女たちに俺たちが夢を見ている。

総選挙・西武ドーム公演・チーム4のスキャンダルという、
2011年を大きく分けて3つのトピックスに分けて、
普段のTVでは見る事の出来なかった満身創痍の少女の姿に
驚愕しながら、ここまでやったら尊敬の念すらも覚えてしまう。
そんな姿を見せられたなら、それが例え秋元康の商法だとしても、
僕らは彼女らを応援せざるを得ない。

舞台上では凛としていた大島優子のバックステージでの本来の姿。
明らかな人災でバタバタと倒れていく中でもチームを引っ張るたかみな。
チーム4キャプテン大場美奈のスキャンダルにより期間限定キャプテンを任された島田晴香の心境。

もうね、こんなの見せられて、彼女達を応援したくならなかった人がいるならそれは下衆ですよ。
そしてね、こんなのを売り物にしてもうけようとしている人は下衆の極みですよ。

「少女たちは傷つきながら、夢を見る」って言ったって、
その彼女たちを傷つけているのは紛れもない我々なのであって、
なのにこんなにも面白いっていう鬼畜エンターテイメント!

なにより、ここまで入れ込んで鑑賞してしまったのは、被写体の姿以上に、
この映画が一本のドキュメンタリー映画としてのかなりの完成度をもっていた賜物だと思う。

「え?AKB?」とか言って鼻で笑っている人にこそ、ぜひ見て欲しい一本。