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若草の頃のぉゅのレビュー・感想・評価

若草の頃(1944年製作の映画)
3.6
2021年 鑑賞 21-99-3
サリー・ベンソン先生の短編小説を原作に、「バンド・ワゴン」等のヴィンセント・ミネリ監督の、1903-1904年の万博を控えたアメリカ・セントルイスを舞台とした、ミュージカル作品。

万博を翌年に控え、皆が浮き足立っているような1903年のセントルイス。父アロンゾ(レオン・エイムズさん)、母アンナ(メアリー・アスターさん)と、ローズ(ルシル・ブレマーさん)、エスター(ジュディ・ガーランドさん)、アグネス(ジョーン・キャロルさん)、トゥーティ(マーガレット・オブライエンさん)の4人娘と長男ロン・ジュニア(ヘンリー・H・ダニエル・ジュニア)が暮らす中流階級のスミス一家。次女エスターや長女ローズの恋愛や、ゆったりとした4つの季節の情景を描く...

「バンド・ワゴン」で好きになった、ヴィンセント・ミネリ監督の世界を堪能しようと鑑賞。冒頭から万博を推した歌で、なんとなく家族構成をみせてくる。おおっと唸ったが... 最初は私の苦手なジャンルである恋愛(ラブコメ?) × ミュージカルのハイブリッド作品なのかと思ったが、次女エスターと、スミス家の隣人のジョン・トゥルーイット(トム・ドレイクさん)の関係を軸にした、スミス家の子どもたちの成長と、4つの季節の美しさを描いた作品であると感じた。

舞踏会のシーン、エスターとトゥーティのキュートな歌とダンス、楽しかったが、あの鈍感で女心に疎い(映画で観ていると分かるが) ジョンだった。でも、家の灯りが徐々に消えていき... なんてロマンティック!そしてあの階段での灯りの感じは...

ハロウィンの夜。トゥーティがもたらした
“早とちりや勘違い” と “謝罪とキューピッド” 。あのキスシーンは... もうこれ以上は言わない...

クリスマスイヴの舞踏会。祖父(ハリー・ダヴェンポートさん)の粋な計らい、あのタキシード、もう奇跡!名曲「Have Yourself a Merry Little Christmas」をエスター口ずさむことで...

“大事なのは家族がいつも一緒にいること 皆が一つでいれば どんな土地でも幸せに...”
雪だるまを壊してまわるトゥーティ。トゥーティを抱きしめる母。上からそれを見守る父。そこに夜と少しの灯りと雪景色があって、感情が込み上がってくる。
最後はまさにセントルイスだなという、ハッピーエンドだった。
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