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マンディンゴのbennoのレビュー・感想・評価

マンディンゴ(1975年製作の映画)
4.2
"アメリカ南部の恥部を晒した"と、当時酷評を受けた『呪われた大作』……『マンディンゴ』

その後、タランティーノが偏愛し、『ジャンゴ』という作品を制作したと言われています

19世紀半ばのルイジアナ州を舞台に、"奴隷牧場"を経営する父子の栄光と没落を描いた物語
人種差別だけではなく、家父長制やマチズモ
人間という存在の醜悪、愚かさ、グロさを徹底的に暴いています
当時はそれらが全て意識されない"普通のこと"として罷り通っていたことに恐怖すら感じます
黒人は人間ではなく"獣"として、病を診る医者は獣医だった…ということも当たり前…
ジャケ写もとても衝撃的で、黒人少年のお腹に足を乗せていると、リウマチが子供に移って治るということで、これも当たり前…日常のことなのです

S. マックィーン監督の『それでも夜は明ける』でも同様に奴隷制度の描写はショッキングなものでしたが、後半、ブラピの出演で全て持っていかれた感があり、少し残念な作品でありました
今作は悲劇を積み重ね、ラストで一気にピークへ…
確かに後味は悪いかもしれませんが、ぬるま湯気分のラストで濁されるよりも、観る価値のある歴史暴露作品だと思います
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