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空の大怪獣 ラドンのばんばんのレビュー・感想・評価

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)
5.0
昔の怪獣映画なので怪獣大暴れまでが長いと感じます。が、その間当時の服装や景色を存分に楽しみました。
炭鉱の風景、顔もシャツも炭で真っ黒な人々、町の木造の長屋、炭鉱の中で働く人たちを乗せて走る長い人車、暗い炭鉱の中、古い電話機、タックの入ったズボン、ウエストの絞ったフレアたっぷりのワンピース。

などと呑気にみているようだけど、メガヌロンに殺された人たちが本当に亡くなった人のようでぞっとしてしまいました。

ラドン襲撃のシーンはセットのすばらしさに大興奮でした。
東京都現代美術館の美術監督井上泰幸展をみる予習で観たのですが、いやー本当に執念と凄みがありました…。
井上氏がミニチュアを作っているのではない、我々は本物を作るのだ、と言っていたそうなのも頷けます。
セットそのものが素晴らしいのはもちろんなのだけれども、空襲の恐ろしさを目の当たりにしていた人たちがあれを作ったのだと思うと、胸の中が掻き乱されるような混乱に陥ります…。
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