ドン・キホーテが下敷きだから、敵と決闘しつつすべてはジョークという高踏派。火を噴く龍の遊具と対決するシーンはバカバカしさに呆れた。空手の型を完全におちょくってるしさ。
まあリヴェットなので許すけど。
そんな中、ピストル所持の緊張感はフランス映画の美点。
撮影は80年代初頭と思われるが、二人の女が遊歩するパリの光景は、観光客向けの甘さを排して、階段、線路、工事現場、突如現れる墓地など、荒涼たるオーラがいっそ清々しく、俺が10年前に訪れたときと変わらない。オリンピックがあっても、あの即物的魅力が変わらないことを願う。