みおこし

スローなブギにしてくれのみおこしのレビュー・感想・評価

スローなブギにしてくれ(1981年製作の映画)
2.5
まだデビュー間もない浅野温子さんと山崎努さん共演の一作。タイトルと同名主題歌は本当にカッコよくて素晴らしいのですが、内容自体はあまり入り込めなかったです…。原作とはストーリーが異なるみたいですね。

ある日、ムスタングに乗った男とのドライブ中に車道に放り出された家出少女さち乃。そこを後ろからやってきた青年ゴローに救われ、2人の間には奇妙な絆が生まれるが、自由奔放なさち乃はムスタングの男ともよりを戻したりと突飛な行動を繰り返し…。

初老の男と青年、そして家出娘の奇妙な三角関係を描いた1本。とにかく冒頭から浅野さん扮するさち乃の行動がまっっっっったく理解できず!それに加えてこじらせ系のゴローも、煮え切らないマスタング男も入り込んできて、もうこんなにもキャラクターの感情が読み取れなくて先の展開が分からない映画は初めて(笑)。「きっとこうなるだろうな」みたいな予測が一つも当てはまらないというのも珍しいですよね…。
10代というのは多感な時期と言われますが、それにしてもおじさんもお兄さんも振り回して身勝手な行動をし続けるさち乃には、どんなに可愛いとしても普通は愛想が尽きるのでは?マスタングの男に関してはそんな彼女のわがままに振り回されるのが逆に孤独を紛らわせる手段だったのかなぁとも思うのですが…。

さち乃は大の猫好きということで、家にも15匹以上の大量の子猫を連れてきて飼っているのですが、冒頭から猫だらけで可愛いなと思った矢先に車から猫を投げたり、窓から捨てたりするシーンが続いて一気にテンションダダ下がり。傷つけたり殺してしまったりというのはもちろんないのですが、「昔の映画だから」という風に片づけられないほどに余りにも扱いが雑だったのでこの点数です…。調べる限り、164匹の仔猫が東映に集められて、浅野さん含めた審査員によるオーディションを経て12匹に絞られたそうですが、こんな扱いを受けると知ってたら飼い主さんも出さなかったろうに…。

なんだかネガティブなことばかり書いてしまいましたが、山崎努さんの静かな演技は印象的だったし色気たっぷりですごくカッコよかったです!岸部一徳さん、石橋蓮司さんなど今も活躍されている名バイプレイヤーがちょい役で出演されていてとてもお若かったのも面白かったです!(笑)
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