タミキーリ

おとうとのタミキーリのレビュー・感想・評価

おとうと(1960年製作の映画)
4.6
岸恵子のこういう役は初めて。乱暴な口調になるのも可愛らしい。田中絹代の継母の憎々しさ、観ているこちらも腹が立つほど素晴らしい。弟役の川口浩、「冒険に出たい」なんていうから、後年の彼の探検を想像して、思わず笑ってしまった。宮川一夫の撮影が素晴らしい。

碧郎が初めて咳をしだす夕焼けの場面、岸恵子演じるげんの横顔の印影がくっきりしていて、その美しさに息をのんだ。碧郎の病名、漢字二文字で表現しなくても、分かる演出。そして、ラストシーンがまた凄いところで終わり、多くを語らなくても充分伝わる。