Miver2

関東無宿のMiver2のレビュー・感想・評価

関東無宿(1963年製作の映画)
4.0
シネマヴェーラで10年位前に1度観てて、DVDも持ってるけど、改めて観るのは久し振りだった今回もとても面白かったな。
小林旭演じるヤクザの仁義を尽くす姿とその立ち振る舞いから感じられる志の格好良さが最高だった。

任侠映画の面白さを楽しみながら、所々で顔を出す純粋な恋愛感情が滲むのがたまらなく良かった。
そして仁義を尽くすヤクザとデタラメなヤクザの対比が何気に凄かったし、後者の行いでサラッと人権侵害な事をやってたの描いてるのを見て、あいつ酷いなと改めて思った。

今回改めて観て、小林旭演じるヤクザの立ち振る舞いや、心の揺らぎ具合をとても丁寧に描いている映画だと思った。
あの赤が拡がるカット割りから雪模様に変わる展開が最高だったな。

物語も終盤に来た所で、10年も経てばヤクザも社会も変わるのよって台詞に衝撃を覚えた。
ヤクザじゃなくても、10年も経てば人も社会も変わるよね。
非常に納得だった。
思い掛けぬ所で人と社会を改めて感じる所が出来たのが嬉しかったし、ヤクザ同士の駆け引きやクライマックスの殺陣の熱量、その凄まじさが圧巻だった。

仁義を尽くすその姿と立ち振る舞いを観ていてかっこいいなと思った反面、生きづらさも感じたりもしたなあ。
ある種独特の構造の中で仁義を尽くす訳だし。
そんな事も思いました。

久し振りに鈴木清順監督の映画を劇場で観れて嬉しく思ったし、改めて小林旭の魅力を堪能する事が出来て良かったです。
Miver2

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