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大誘拐 RAINBOW KIDSののぶのレビュー・感想・評価

大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)
4.5
これは、映画化されるかなり前に、原作を読んだのですが、あまりにも見事な完全犯罪に脱帽でした!!!

そしてこの見事な原作を岡本監督が映画化する!!!もう、何も言うことありません。
原作の面白さを損なうことなく見事に映像化してます。

おばあちゃんが何故、100億円を要求したのか?この謎解きは鳥肌ものです。
戦争で、夫を奪い子供達を奪われたおばあちゃん。自分が死んだら夫が愛した山林も相続税として国家に奪われてしまう。

映画の中で、おばあちゃんが山林を眺めながら、ボソっと言う「お国って何なんや?」って言う台詞が痛々しいです。この映画は、奇想天外な痛快喜劇とういう内容でありながら、その奥には、奪うだけ奪っておいて何もしない日本と言う国家への反骨精神が貫かれている映画なのです。

そう言う重厚なテーマを持ち合わせているのに面白おかしく描ききっている!まさに反戦派・岡本喜八監督の面目躍如です。

久々に日本映画のすばらしさを堪能した映画でした。
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