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ザ・ファイターのArkのレビュー・感想・評価

ザ・ファイター(2010年製作の映画)
4.0
2023-72
ファイトスタイルが全く異なるボクサー兄弟、ディッキーとミッキー。ディッキーはかつて「シュガー・レイをダウンさせた」と言う英雄的ボクサーで、今は弟の専属トレーナーをしているが麻薬中毒のちょっと危ない男。ミッキーはある日、ボクサーとして大成することを諦めかけるが、紆余曲折の末再びディッキーと共に世界を目指し始める。


9キロ上の選手にボコボコにされてボクサーとして名を馳せることを諦めかけた時に、もう一度立ち上がるところがカッコいい。何かを成し遂げようとする時は必ず壁が立ちはだかり苦しめられるものだけど、それに負けずに立ち上がるところがまさにボクサーって感じで、素晴らしい。

ただ、母親と女どもがクズというか……(笑)自分たちの利益しか考えてなくて、ミッキーの気持ちは二の次なのが嫌だった。麻薬に浸かってても弟想いのディッキーの方が人として素敵だと思う。父親がまともで良かった。

エイミー・アダムスの目力がすごい(笑)彼氏想いなのも気が強いのもいいけど、ちょっと面倒臭い。

クリスチャン・ベールの役作りがすごい。髪を抜いて、歯並びを変えて、15キロ近く減量。リアルにディッキーを演じるために本人と多くの時間を過ごして役作り。
これまで見た事のない姿で素晴らしかった。クリスチャン・ベールは誰を演じていても毎回別人なのがすごい。

製作も兼ねているマーク・ウォールバーグは、5年間自腹でトレーナーを雇ってボクシングを練習したらしい。

色々大変だったみたい。映画化まで5年かかっている。最初に脚本を送ったマーティン・スコセッシは監督を辞退、次のダーレン・アロノフスキー監督は途中降板。クリスチャン・ベールはデヴィッド・O・ラッセルを提案するも、先にコラボした「ハッカビーズ」の興行成績が振るわなかったことから、マーク・ウォールバーグは消極的だった。次にアプローチしたピーター・バーグ監督の興味をひく事ができず、最終的にデヴィッド・O・ラッセルが監督をすることに。さらに制作費も2500万ドルと小規模だったため、マーク・ウォールバーグは出演料を権利放棄し、クリスチャン・ベールの出演料は25万ドルだった。……とのこと。
当時のレートだと25万ドルは2200万円くらいだろうか。こんなに役作りして、あの演技で、この値段。パフォーマンスに対して安すぎる〜。
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