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トム・ホーンのpasatiempoのレビュー・感想・評価

トム・ホーン(1980年製作の映画)
3.6
 昔に観た記憶がありますが、正直覚えていないです。
 スティーブ・マックイーンの遺作は『ハンター』ですが、その前に作られた本作。撮影時にはすでに闘病で戦っていたようです。

 『大脱走』や『タワーリング・インフェルノ』など多彩な役に挑戦して華やかだった銀幕時代から一線を引いたような感じで、本作は原点に戻った西部劇、というところが何とも言えません。
 自らプロデュースし実在した西部開拓時代のガンマン、トム・ホーンを演じています。

 西部時代も末期で法と秩序の時代に突入しガンマンなどは悪と見なされ、トム・ホーンも例外でなく仕事にありつけない状態の中、牛泥棒を退治する仕事を任されます。
 時代から取り残された感というか悲壮感というものがトム(スティーブ・マックイーン)の表情からも見て取れます。

 黙々と仕事をこなし泥棒を撃ち殺していくので牧場主からは評判になりますが、周囲からはあまり良い目で見られません。
 人殺しが近所にいるというのは良い感じがしないのは理解できますけど、殺し屋が居ると評判になって寄り付かないと思うのですが、実際はどうだったんでしょう?
 どこまでがフィクションなのかは分かりません。

 ある日、子供が銃で殺され、その銃痕からトムと同じ口径という理由からトムが殺人容疑で逮捕されてしまいます。目撃者もいなく証拠も無いのですが、トムは従って投獄されます。
 多くを語らず、「好きに殺してくれ」って雰囲気が寂し気で観てて少し辛く感じました。

 推定無罪とはいかず有罪で絞首刑となりラストは皆が見守る中で脚だけを映し右回転するカットで、闘病しながらの撮影で時代の流れに逆らわない受け入れる本人自身と被り悟っている様に見え寂しいエンディングでした。


視聴環境:字幕、ノーカット
パンフ:未保有
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