だいき

つばさのだいきのレビュー・感想・評価

つばさ(1927年製作の映画)
3.9
若くして命を落とした飛行隊の兵士たちに捧げる。

第1回(1929年)アカデミー賞作品賞受賞作品。
飛行機の飛ぶ音もなければ、銃の発射音もなく爆発音もない、サイレントという戦争映画に非常に不向きな状態で、ここまでの迫力を生んだのは映像技術の賜物。
特筆すべきは迫力満点の空中戦。
当然ながらCG技術のない時代。
全て生身の人間でこの戦闘シーンを生み出しており、そのリアルな迫力はやはり凄まじいものがある。
非常に高価な21台のカメラが使用され、主演の 2人はスタントマン無しで実際に飛行機を操縦し、手回しのカメラを回していた。
死傷者も出たそうだが、本作は後の空中戦作品全ての手本となり、その影響はスター・ウォーズまで続いた。
100年近くも前の作品のため、今の戦争映画と比べるとどうしても見劣りしてしまうが、全てがここから始まったのだからそれも当然。
まさに多くの試みが詰め込まれた大傑作だった。
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