むうぴょんこ

エリア88のむうぴょんこのレビュー・感想・評価

エリア88(1985年製作の映画)
5.0
【心が乾く・・・それがどんなに危険な事かを認識してねって事!!】

https://www.youtube.com/watch?v=LEBG4hxETG8

前回は飛行機をネタにした映画の紹介だったので今回も同じ飛行機を扱った作品で・・・『AREA88』!!

この作品って1985年から市場に発売のみで三部作でリリースされた同名アニメ作品をまとめた劇場版であり・・・

元々は新谷かおるさんの1979年から1986年まで連載された漫画をベースにしている傑作!!

何故、自身のブログに迷惑行為を受けてるこの時期に、こんな昔の作品を紹介するかっていうと・・・

ネットに溢れている迷惑行為を行う人たちを救う為の助けになればってな思いからなのです!!

ほら、いくら迷惑行為を行っている人間だとしても、ただ見捨てるだけでは自身の存在価値を見いだせず、行き場のない焦りに苛まれて、ますます問題行動を加速させるだけでしょ??

そんな思いを実行するためには彼らの考えと行為のどこに問題があるのか、指摘してあげなければならないけど、いちいち性格診断して、相手の問題点を指摘するのも面倒くさいので・・・

だったら彼らの怒りの原点にあるモノが何なのか・・・

それを指摘してあげることで彼ら自身の心を見つめ直す機会ができると思うのです!!

あはは・・・小難しい心理学の世界に入り込んじゃったので、ここで無理やり軌道修正(笑)

要はね、ウダウダ説明しても心に残らないので、百聞は一見に如かずで・・・

こういった心の問題をテーマにしてる傑作を観れば理解できるぞって事!!

こんなにも暑苦しい日なのにいつにも増して面倒くさいねぇーっ(笑)

ってな感じで・・・行っちゃうぞ!!



【異常行為に染まってしまったらおしまいだぞ!!】

そんな本作品をおススメする理由とは前述した通り・・・

『社会から逸脱した人間の心理描写が適確で秀逸』であるからこそ!!

ほら、人間って社会という群れの中でしか生きていけない弱い動物なわけで・・・

その自分が属する社会という群れから拒絶された・・・おっと・・・本作では拒絶したのだけど、そうなると人って自分の存在意義がなくなり自己崩壊してしまう危険性が高いのは知ってるよね??

そんな自己崩壊を防ぐために心って自己防衛の為に様々な迷惑行為に走らせるんだけど・・・

それら全ては『社会に自分を認めさせたい=自分の居場所を確保したい』という安心感を得たい為の行為なのです!!

そんな本作の主人公、風間 真(カザマ シン)も最初は普通の社会適合者っていうより、大和航空の新人エリートパイロットなので成功者だったのです!!

でも幼馴染で同期入社の神崎悟に騙されてから、彼の心理状態は一変してしまうのです!!

神崎に騙されてに酔った勢いでサインしたのは内乱が続くアスラン王国外人部隊の入隊契約書!!

シンは住んでいたパリから強制的に最前線のエリア88基地に送られ、そこで『人を殺せばお金が貰える傭兵』という立場に自分が落ちた事に絶望し苦悩するのです!!

傭兵から抜け出すには戦闘に参加しながら契約期間である三年間を無事に生き延びるか・・・

150万ドル(当時は三億円)の違約金を払うかの二者択一を迫られ、彼は心を殺し苦悩しながら人殺しを続け、あと少しで契約破棄できる寸前までいくのです!!

この作品で重要なのは平和な日本から離れ、戦争という殺人行為が称賛される異常な社会に落ちたシンの心理状態で・・・

彼は話が進むにつれ、戦争という殺人行為に慣れてしまうのです!!

平和な日本では決して許されない殺人を強要され、他人を殺すことでお金を得る!!

それが常態化し、その社会では認められる・・・

こうした異常な社会で正気を失わないでいる為には、その異常さに染まるしかない!!

これが危険なのです!!

現実問題に戻って迷惑行為を行っている人々・・・

彼らは自分の心の痛みをごまかすために他人を攻撃してネットで暴れまくる・・・

これらは言葉や文章で他人の心を攻撃している事と同義であり、劇中でシンが”異常なアスランから抜け出すために殺人を行う”行為と何ら変わりないって事を理解してほしいのです!!

そんな異常行為を続けたシンは『自分が生き残るために他人を殺して何が悪い』と言い切ってしまいます!!

それって迷惑行為を行う人々が口にする言葉にも頻繁に見受けられるよね??

現実においても社会から受け入れられない迷惑行為を行う人々は、シンと同じでその異常行動に染まってしまっているという事実があるって事!!

ねっ・・・すっごく怖いでしょ??



【『心が乾く』んです(泣)】

現実でも迷惑行為を常習化している彼らの・・・

『他人から認めてもらえないことに対する鬱憤=社会に自分が存在する場所がない』

って、元は本人の問題なのか、劇中のシンのように他人が原因であるかはわからないけど・・・

そんな不満を抱えた人間が他人を攻撃することを容認してくれる社会なんてどこにも無いって事!!

でも鬱屈した不安定な精神状態のままでは・・・

自分の意見を100%相手に認めさせなければ気が済まず、延々と歪んだ自己主張を繰り返す迷惑行為へと繋がってしまうのです!!

でもね、そうした迷惑行為を行っても決して心が晴れることは無い!!

他人を攻撃する行為は、同時に自分の心(良心)も傷つけており、傷ついた心は徐々に腐っていって最後には自己崩壊してしまう未来が待っている事を、自から強く認識しているからなのです!!

『AREA88 Act3 燃える蜃気楼』で、シンは思わぬ幸運により早期の除隊を許可され、パリへと戻ってきます!!

でも平和なパリこそがシンにとっての本当の地獄だったのです!!

シンは長い間思い続けた涼子とコンタクトを取るべく電話をかけ続けますが、すれ違い、声を聴くことができません!!

シンは亡霊のようにパリの街を歩き回ります!!

時は夕暮れ・・・セーヌ川のほとりで座り込んだシンは思わず自らの心境を口にしてしまいます!!

『乾く・・・何だろう、この渇きは・・・平和な世界に戻ってきたというのに・・・恋人たち・・・家族連れ・・・ここには爆撃の恐怖も硝煙の匂いもない・・・今夜作戦会議があるわけじゃない、明日の総攻撃もない・・・平和だ・・・でも何だってこんなにも苛立つんだ・・・心が乾くんだ!!』

心が乾く・・・これが人にとって一番、重大な事象!!

シンは長年にわたる度重なる殺人行為により心が疲弊し、何が大切なモノなのかすら理解できなくなってしまっていたのです!!

そんなシンはチンピラどもに絡まれた末、警察に逮捕されるのですが、そこで見受け人であるアスラン大使に重大な告白をします!!

『街を歩いていてもレストランで食事をしていてもちっとも心が弾まない・・・みんな白々しく見えるんです・・・どうしてですかね?・・・あれほど憧れていた自由の世界へと帰ってきたというのに・・・まるで蜃気楼の中をさまよっているようだった。』

シンはアスラン大使と共に空港に戻る途中に立ち寄った公衆電話でついに恋人の涼子と会話することができたのですが・・・

彼は夢中で引き留めようとする涼子との会話を途中で切って、アスランへと戻る決心をするのです!!

シャルルドゴール空港でシンを見送ったアスラン大使は・・

『哀れだ・・・あの男から硝煙の匂いが消え去ることは永遠に来ないだろう』

と、一緒に見送りに来ていた警官に告げるのです!!

ホントに・・・悲しいでしょ??

自分が生き残るためとはいえ、他人と共に自分の心を殺し続けた結末が・・・心が乾く!!

そうなると自分のこだわりを消すために再度、死地に行くしかない!!

たとえそれがどんな結末であっても・・・って事なのです(泣)




【感情とはコントロールできるモノなのです!!】

実はこれら『心が乾く』事象って日本にいるだけでなく、海外に行くとより陥りやすい事象で・・・

実際、家族で海外に住んでた時には、半年ほど過ぎた長期出張者が良くかかっているのを目撃したり??

もちろん海外駐在者の集まりである現地日本人会などは凄まじいとしか言いようがないほど、心が乾いてしまっている人たちで溢れてて・・・

そんな彼らの願いは一つ・・・日本に帰りたい!!

これって現地に長くいる人ほど言葉や習慣の違いでより重症化する傾向があって・・・

人々は現地社会に馴染めず、自分のうっ憤を晴らすため、狭い日本人コミュニティ内での無差別攻撃を行い、激しい揚げ足取りや中傷合戦が繰り広げられることになるのです!!

私たち家族はそんなコミュニティから実際にも距離を取ることで実害をそんなに受けることは無かったけど・・・

今度は自分自身の問題で現地校だし友人たちは全て現地人という境遇の中・・・

子供ながらに自らの居場所を探し続ける毎日は正しく地獄とでもいいようのない時期もあったりしたのです!!

なので数年たって全く不自由なく英語が話せるようになってからも私の願いはずっと・・・日本へ帰りたい!!

でもね・・・そんな生活を7年送っていざ日本へ帰ってくると・・・心が瞬時に乾いてしまったのです!!

あんなに待ち望んでいた日本での生活・・・日本の学校・・・何の気兼ねなく普通に暮らせる毎日・・・

でもやっぱりどこか違うんです!!

新歓コンパで向けられる羨望の裏に隠された嫉妬と妬み・・・思いが通じあったと全く感じられない友人たちとの表面的な会話・・・どんなに頑張っても心を開いてくれない微妙な友人付き合い・・・

こうした日本人ならではの風習を忘れて外国人化してしまった私には、海外に住んでた時期よりも毎日が遥かに苦痛で・・・

こうした事象をカルチャーショックと呼ぶんだけど・・・やはりシンのように慣れるまでは非常につらかったってのもあるのです!!

でね、1年ほど苦しんだ末に私が会得したモノは・・・

こうした心の渇きって実は完璧にコントロールできるモノって事!!

心の渇きって実際は感情により生み出されてて・・・感情をコントロールできれば制御可能なのです!!

そんな心をコントロールするキーワードとは・・・

『自分は自分のままで良い』って簡単な一言だけ!!

他人がどう思おうと関係ないんです・・・自分は自分の信念のもと、したいことをすればよい!!

これってマナーに反しなければ何をやっても良いって事!!

そうは言っても法律やルールじゃないぞ・・・自分の中でのマナーを守るって事!!

私はマナーとは自分の良心であると思ってて・・・良心であるマナーを守っていれば瑞々しい心でいられるのです!!

そんな自らが向上するきっかけは『AREA88 劇場版』を観れば理解できるようになるので・・・

是非、みんなにも観てもらいたいなーって強く思うのです!!




【最後に・・・平成版は全くの別物なので注意してね!!】

タイトルにも書いたけど、おススメしてるのは『昭和版のAREA88劇場版 2作品』であり・・・

決して『平成版』ではないので注意してね!!

正直に言っちゃうと『平成版』・・・すべてにおいて掘り下げが足りず、説明ばかり!!

なので本来ならキャラの心境を『言葉でなく間』で表現すべきところを全てセリフで説明しているので深い掘り下げがあるはずもなく・・・

深い心理状態の表現も工夫もない、ただの安っぽい絵本を観てる感じなのが痛すぎる!!

これほどの傑作から与えられたモノを表面上にしか表現できないって・・・

これが現代日本人の限界なの??

って、ホント・・・悲しすぎるぞって思うのです!!


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こんな感じで面倒くさすぎる今回もブログから転記したままの状態でおしまい(笑)

ホントは釣りネタにしよって思ってたんだよ??

でもね・・・これにしろって『心が叫びたがってたんだ』(笑)

因みにFilmarksに新記事を投稿するとブログに迷惑コメントが来るのでちょいと面倒くさいなって思ったけど・・・

それもまた・・・ま、いっかぁーってな事でやっちゃった(笑)

ではみなさん・・・ごきげんよぉーって事なのです!!





Pyonko & Mu From Tokyoでしたぁ~!!