みおこし

掠奪された七人の花嫁のみおこしのレビュー・感想・評価

掠奪された七人の花嫁(1954年製作の映画)
4.2
これはクリーンヒット!!長年観なきゃ観なきゃと思って、ついにTSUTAYAで取り寄せた甲斐があった。皆さん、ぜひ観てください、この作品を観て傷ついたり、悲しむ人は地球上に1人もいないと胸を張って言える(笑)。ミュージカル苦手な人も、もうこののほほんぶりをぜひご覧いただきミュージカルアレルギー克服しましょう!!
世界一能天気な最高傑作の映画です。最初から最後まで完璧で、ラストも超単純明快!拍手しちゃった(笑)

ポンティピー兄弟の長男であるアダムは、山男兄弟7人でのむさ苦しい生活に辟易し花嫁を探せ!弾丸1DAYツアーをしに街にやってくる。太すぎず細すぎずお料理上手な女子はいないかな〜と、やけに注文が多い中探して出会ったのが、酒場をたくましく切り盛りするミリー。一目で惹かれあった2人(嘘でしょ)は結婚することになり、山へ向かう。ここまでで映画開始から11分(!!)。
着くなり、ヒゲもじゃ服は薄汚れ鷲づかみで料理を食い荒らす兄弟たちの面倒を見ろという無茶な注文を突きつけられたミリーは、泣くどころか「豚は豚らしく床で食べなさい!!」と机をひっくり返して応戦。
汚い服をはぎ取られ、ヒゲも削ぎ落とした6人の弟たちは揃いも揃って男前。しかし、女性経験ゼロ、デートの誘い文句が「スカンク狩りに行こうぜ!」という始末。ミリーは彼らを改造して街に連れ出し、ステキな花嫁との出逢いを演出するが大乱闘の結果、失敗。悲嘆にくれた男たちだったが、兄の鶴の一声で「男はローマ人のように女を奪い取れ!」と恋に落ちた女子たちを拉致しに出かけ...(笑)

あらすじ書いてるだけでもうニコニコしちゃう、この能天気ぶり。「どーしよっかなー、おっけ!行っちゃお!」という決断力が異常に速い方々しか出てこないので、まあテンポが良いこと、良いこと。
身体能力とガッツだけはある男たち、しかし女の子の扱いには慣れず試行錯誤。ミリーの言うことを何でもよく聞いて頑張る姿が愛おしいし、本当に面白かった。
末っ子ギデオン(ウエスト・サイドのラス・タンブリンが演じてます)「僕は恋に落ちてしまったみたいだ」
アダム兄『たった一度しか会ってないじゃないか』
のようなセリフがあったけど、いやアダム兄さん、あんたも人のこと言えないからな!(笑)とにかく男も女も、速攻で恋に落ちてお目目がハートになる。何て幸せな映画なんだ...。どんどん洗練されてステキな男性になっていく兄弟たち、本当にナイスキャラでした。
女の子もみんな好感が持てる!実際山男に拉致されて、納屋に軟禁?されたらもうひとたまりもないけど、結局女の子たち幸せそうだし、ジェーン・パウエル演じるミリーもめげるどころかたくましく男たちを手なづけてて、出てくる女子がみんな強くてかっこいい。

圧巻のミュージカルシーン、中盤のBarn Danceは未だにMGMミュージカル史でも語り草になってますが、思わず口をあんぐり開けたまま見入ってしまった。この時代にあんなにアクロバティックに、そしてカラフルな色彩であのシーンを撮りあげた監督とキャストに頭が上がりません。
カントリー調ののんきな音楽も軽快で、サントラ欲しくなっちゃった!
映画って、こういう風に誰が見ても笑顔になれるものであるべきだなって久々に痛感。頭空っぽにして、にっこり笑顔で楽しめる幸せな映画でした。大好き!

一番笑ったシーンは、兄の初夜に期待して、隣の部屋からわらわら出てきてただニヤついてる兄弟たちと、赤ちゃんの名前つけるシーン。ヘフシバって...(笑)
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