福福吉吉

エイリアン4の福福吉吉のレビュー・感想・評価

エイリアン4(1997年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
実験宇宙船オリガでは軍の科学者たちによりリプリーのクローンの生成に成功し、彼女の体内からエイリアンが摘出され、次々とエイリアンが繁殖される。そんな中、リプリーのクローンの「8号」は実験材料として生かされていた。ある日、貨物船ベティが実験材料の人間を運んできたが、その一方、隔離されていたエイリアンたちが脱走してしまう。オリガの中でエイリアンが襲いかかる中、8号はオリガからの脱出を図る。

◆感想◆
前作までの主人公リプリーのクローンが生成されるという衝撃的な始まりとともに、クローン元とは異なる「8号」の存在意義やその行動の特異さが印象的な作品となっています。

リプリーのクローンである「8号」(シガニー・ウィーバー)は超人的な運動能力とエイリアンに対する動物的な感覚の強さを持っており、前述のとおり、クローン元のリプリーとは明らかに異なるように感じました。彼女がエイリアンのホストであるが故に、彼女とエイリアンが接する場面ではエイリアンが特異な行動をとる部分も興味深かったです。

本作では、オリガの乗組員は基本的に残念な人々となっており、8号とともに脱出を図るのは貨物船ベティの乗組員たちとなります。基本的に野性的な面々なのですが、アナリー(ウィノナ・ライダー)だけは冷静で穏やかな人物として描かれています。しかし、アナリーは8号と接すると極端に攻撃的になり、アナリーと8号の関係の変化は本作の見どころの一つだと思います。

本作はかなり残酷なシーンが多く、エイリアンが人を攻撃して殺すシーンとともに研究者たちが人為的にエイリアンを人に寄生させるなど人が引き起こした奇怪な生命体の冒涜的なシーンが衝撃的でした。

また、エイリアンの中でも他とは異なる個体が生まれており、その姿はかなり奇怪でした。人がいつまでも愚かであることを証明し続ける作品でした。

これまでのシリーズとは異なるリプリーのクローンの存在感の強さとエイリアンたちの狡猾さが光る作品となっており、なかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2024年2月10日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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