1960年4月16日、3時1分前。
これ以上巧みな"1分間"の使いかたを知らない。
実際にこう口説き落とされたらどうしようもなく好きになってしまう、いや、これは欲情するのに近いかもしれない。人生がめちゃくちゃになるのを覚悟して。
私は異性を何人も誑かす描写は好みではないが、ヨディについてはその生い立ち、孤独、固執を考えると諦念に似た許しを覚える。彼は、脚のない鳥だから。
一方、女性陣はマギー・チャンとカリーナ・ラウが全く違うタイプ、対比によってお互いの存在がくっきりと強調されている。タイプが真反対の女性故に、彼の自暴自棄とした人生的な迷茫が見て取れる。
これはもう一度観なければ。
新文芸坐ウォン・カーウァイオールナイト特集にて鑑賞。