Alice

贖罪のAliceのレビュー・感想・評価

贖罪(2012年製作の映画)
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たまたま小学校の時殺人事件に巻き込まれたエミリの友達4人。
事情を聞かれた彼女たちは、犯人の顔を「覚えてない。思い出せない」と何故か口裏を合わせたような証言をする。
エミリの母親麻子は、娘が殺され本当のことを証言しなかった友達4人を激しく恨み続ける。
彼女たちが大人になってからも。

時は遡り、麻子は大学生の時友人の自殺の第一発見者になったが、その際直ぐに救急車を呼ばず、半ば見殺しにしてしまった。
その上恋人に宛てて書かれた彼女の遺書を隠した。
麻子は恋愛絡みで明らかに恨みがあった。

小学生4人にしたって犯人の顔をはっきり見ていたし、もう11歳なら気が動転して…って年齢でも無いはず。
彼女たちは、きっとお金持ちで都会的でオシャレでかわいいエミリに、何となーく心の底には(小学生ながら)女特有の嫉妬があったのかもしれない。
4人に共通してるのはまさに未必の故意。
(直ぐに周りの大人や先生に助けを求めていたらエミリは助かっていたかもしれない)

その後も4人はエミリの事件が引き金となり、小学4年で時計が止まったまま、呪縛から抜け出せず、各々ずっと苦しみもがいてきた。
そして15年後、ついにパンドラの箱が空いた。
全ては麻子の一件が引き金になっていたんだけど。

麻子も含め彼女達の生き様そのものがまさに「贖罪」だった。

流石だわ。湊かなえ。
こういう女子特有の、えも言われぬニュアンスあるあるの世界観を書かせたら、天下一品だなぁ。
私は好きだわ。彼女の作品。
(好き嫌いははっきりわかれると思うけど)
ふと夏樹静子を彷彿とさせる。女流作家ならではの雰囲気。

蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴そして小泉今日子。
どの方も名演技でした。
是非、原作も読んでドラマ版も観てみようと思う。
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