村上春樹のデビュー作の映画化。結構好きです。70年代から地続きの80年代っぽいインディーズ感みたいなのが。
こういうのを好きな気持ちってどう表現したものかと思ってレビューをざっと読んでいたら”キッチュなサブカル映画”という表現を見つけて、あ、そういうことかと納得した。単にサブカル映画が好きなんだろな。
村上春樹は中高生の頃にはまって大好きだったので、映像化作品は「トニー滝谷」も「ノルウェイの森」も映画館で観たけれど、やっぱり物語以前に文体に特徴があるから映像化には難しいコンテンツのような気がする。テキストを活かそうとするなら、地の文はそのまんまナレーションにして、会話はそのまんまセリフにしちゃうかしか選択肢が無いんだろうなと想像するが、小説の会話をそのまま再現してもどうしても違和感は拭えなく、世界観に入り込めなくなってしまう気がする。そういう意味では「トニー滝谷」は正解の一つを提示していて、この映画は会話をまともに再現してるけどサブカル映画としてキッチュな感じになってるので、これはこれでアリ。
あとで知ったんだけど、大森一樹と村上春樹は同じ芦屋出身で中学の先輩後輩にあたるそう。そのせいかこの作品も神戸をちゃんと知ってる人が作っている感じします。私神戸分からないけど。
若い才能同士のコラボって感じもして、意欲作だと思います。真行寺君枝がカワイイ。
