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風の歌を聴けのfmのレビュー・感想・評価

風の歌を聴け(1981年製作の映画)
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原作は二度ほど読んだ記憶がある。
小林薫が村上春樹本人を美形にしたような風体をしており、原作で印象的だったセリフも出てくるので、原作再現度は意外と高い。
真行寺君枝と巻上公一も魅力的である。
ジェイズ・バーの雰囲気もまずまず良い。

とはいえ、神戸の土着感が強くて、村上春樹特有の無国籍(でありながら日本的)感が薄れている。
犬の漫才師が放送してるラジオがMBS(AM)みたいだ。

主人公がレコ屋で「レコードを買いに来たんだ。Beach BoysのCalifornia Girlsの入ったやつ」と注文して、買ったのが『Beach Boys '69』だからずっこけた。
たしかに入ってるけど、それはライブ盤だから!
狙い通りの演出なのか、凡ミスなのか、実験的な作品だから判別つきにくい。
和製ヌーヴェルヴァーグの珍品として一見の価値がなくもないが、別段面白いわけでもないので、最後まで観るには忍耐が必要。

余談。
劇中劇の『掘る(Hole)』はヒカシュー感ある。
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