坂本淳

ビンゴの坂本淳のネタバレレビュー・内容・結末

ビンゴ(2012年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

「脳死で見ても楽しめる」映画が多い中今作は「脳死で見ないと楽しくない」という珍しいタイプの映画だった

そもそもメタ的なことを考えると制度として崩壊している
「死刑囚でビンゴを作ってビンゴが組めたら死刑執行(ビンゴの抽選機にどの番号を入れるかは死刑囚が最後に会いたい人(以下投票者)が決める)」というルールで進められるが、投票者に死刑囚の罪状などが明かされるわけでもなく、加害者遺族か被害者遺族かもまちまちな状況になっている
更生している加害者は大体そこで「最後に会いたい人」として被害者家族を選びそうなものだが、被害者家族を選んだ方が不利になるルール作りはいかがなものか

さらに言うとそもそもビンゴ形式にしなくても良い。普通に投票して行って決めれば良いだけの話

後投票者を一部屋にまとめるのはいかがなものか、公平性を保つことが目的なら別々の個室を用意すれば良いだけの話

他にも現実的に見てそもそもルール決めががぶっ飛び過ぎている点が多くあまり入り込めなかった

さらに、デスゲームの形式でやりたかったのだろうが、参加者が頭を使ってゲームを攻略し生き残ると言ったものではなく、参加者は殆ど神頼みの中生き残るかどうかドキドキするだけ
要するに視聴者側がカイジとかのドキドキ感を味わえるものではなくただただ大規模なビンゴ大会を見学するだけの映画となっている

また、最終盤においてはヒロインの為に罪を被った主人公がそのヒロインに「死刑執行して下さい」と言われ死刑が執行されるというオチだが、あまりにも意外性を狙いすぎていて逆にお粗末な感じになっていた
主人公を死刑執行する事でその事件について知る人は実行犯であるヒロインだけとなり「よっしゃ、私が起こした事件から解放されたわ」というのは酷すぎやしないかと思う
ならまだ「主人公に死刑執行したけど自分も罪あるから自殺しよ」の方がまだしっくりくる

デスゲームの先駆けだから仕方ないという感じの意見も見られるが、もうちょっと良くできたのでは

とまぁここまで散々言ってきたものの個人的には「冒頭見ていた夢は実は自分のものではなかった」という部分に関しては好きなのでそこは評価できる点
坂本淳

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