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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語のiszkaのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく敬遠してたけど、今更鑑賞

確かにこれはアニメ史に残る作品

OPや作風から連想されるイメージを、
見事に裏切る過酷な設定かつグロテスクな世界観
作画は違えど、90年代を連想する暗さ

やっつけに過激な映像にしているのではなく、さすがはシャフトと言うべきか、
研ぎ澄まされたセンスでの作画と、絶妙な間になっている。

自分は、
根拠のない希望のみ映す魔法少女モノ(もっと広く言うとヒーローもの)のアンチテーゼと受け取った。

例えば、まどかがさやかに声を届けるシーンにおいて、
昨今の凡庸な作品では「いわゆる友情パワーで、さやかは目を覚ます」という展開がもはや通例であるが、この作品はそんな都合の良い希望を容赦なく滅する。

ありふれた表現ではあるが、
責任なき力は存在しない
その事実を包み隠すことなく視聴者に突き立てる。

ところが、大衆に蔓延している物語は都合の良いものが大半というのが現実で、
これはどうも自分には教育という意味においては危うい気がするなぁ。
現実からの逃避という装置ばかりな気がする。(もちろんそれを否定しているわけではない)

また、明確な道筋を立てた悪が存在しないので、ヒーローサイドの葛藤にスポットが当たっているのも面白ポイント
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