ジャズピアニスト、ミッシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリー。
先天性の骨形成不全症で産まれたが、そのハンディキャップを物ともせずに偉大な音楽家として名を残した。
毎日を150パーセントの力で生きる。
彼は長くは生きられないことをよく知っていた。
私が若かりし頃、ジャズを聴くきっかけになったバド・パウエル。
その地位は揺るがないが、次に上げるとしたら迷わずこの人になる。
音楽は出てくる音が全て。
その体に見合わない大きな手での強力なタッチは、彼唯一の音を奏でる。
その強力なタッチの源泉は何か。
怒りと反抗ではなかったのか。
ピアノの鍵盤の白い歯が、彼に「やってみな」とけしかける。
「負けないよ」と、骨が折れるのを恐れずに鍵盤を叩く。
精神はパンクだ。
女性に対しても積極的で、命を燃やした。
3人の女性は、彼を受け止めた。
ローマ法王が現在来日中であるが、法王の前での演奏も収められている。
法王は体を揺らした。
36歳でその生涯を終える。
彼の墓はショパンの墓のすぐ近くにあるそうだ。
偉大な音楽家、ジャズの申し子。
もっとたくさんの作品を残してほしかった。
今日が最後の日となっても後悔しない。
そんなふうに思うように毎日を過ごしている。
彼のように、150パーセントの力とはなかなかいかないが・・・。
彼のように生きてみたい。
そんな偉大な芸術家の映画である。
Blu-ray所有。