これはヤバい。
とある幸福な四人家族の長女アリスが溺死する。悲しみに暮れる家族であったが、どこか家からアリスの気配がして...という、ストーリー。全編通してローテンションでかつ、徹底的に不気味。「現実的にギリありそうなライン」を的確に描いてくる。
オーストラリア産のホラー映画だが、以外にもジャンプスケアやパニック要素は完全に排して、Jホラーのような(Jホラー以上だが)じっとりとした心霊ホラーをやってくれている。
ラストの母と娘のインタビューが交錯するシーンは、まるで『呪怨』の世界観のように、時空が歪み、二人がすれ違い続ける。本来なら、アリスは事故のずっと前に死んでいたのではないだろうか...
明らかにアリスは成仏していなさそうだし、なにか重要な鍵を最後まで開けられていないまま物語が幕を閉じたような気もする。そんな不完全さがなおのこと怖い。
この映画に「説明不十分」を訴えるのはナンセンスだろう、なぜならこれで完成しているから。
間違いなく傑作。