爆裂BOX

ナイトライフの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ナイトライフ(1989年製作の映画)
3.7
アーチ―は伯父の葬儀場でバイトする高校生。悪ガキ4人組にからかわれる毎日を送っていたが、4人に死体を隠されバイトをクビになってしまう。失意の中、伯父から大事故が起きたので手伝いを頼まれ現場に向うが、そこにはあの4人の死体があった…というストーリー。
知名度低いですが、青春ゾンビ映画の佳作だと思うゾンビ映画です。
主人公アーチ―は4人の死体の処置をするも、深夜、嵐になり葬儀社に落雷。その雷とハイウェイの事故で浴びた化学薬品の合わせ技のせいか4人はゾンビになって復活し、アーチ―は追われることになるという内容です。
前半は青春映画という感じでゾンビが登場するまで結構長いですが、コミカルに描かれる青春部分もそつなく纏まっていて楽しめました。主人公アーチ―は悪ガキ4人にからかわれるも、芯が強くて割と動じない性格なので陰惨な感じになりません。解剖した蛙の足背中に張り付けたりちょっとした反撃したりしますし、グループの中のセクシー美女に惚れていて色目使ったり、色仕掛けにもあっさり乗って積極的に行動しようとしたり結構肉食系で、しかも可愛い勤労少女の友達チャーリーがいて助けてくれたりと結構リア充寄りのキャラです。「クリッター1&2」の主演のスコット・グライムズが演じていて、アーチ―のキャラにぴったりはまってますね。
4人がゾンビになって復活してからは怒涛の攻防が繰り広げられます。食人することはなく、伝染性もないですが、動作は機敏で道具も使えて車も運転できるなどスペック高いです。食料食い荒らしたり酒飲んだり、ゾンビ同士でエッチしたり、相手かまわず暴力振るったりとやってる事は生前と変わりませんね。容赦なく出会う人殺していきますが。ゾンビメイクは白塗りですが血の気の失せた感じが死人感感じさせて不気味ではあります。顔の欠損部分をロウで補填されてる奴がいい感じでした。
何人か殺されますが、際立ったグロ描写はほぼないですね。ケチで意地悪な葬儀屋の伯父さんがオイル注入されて顔が膨らんでいく所はちょっとグロいですが破裂する瞬間はないです。ゾンビの眼孔にドリル突き刺したり、ロウがポロリと落ちたり、斧で脳天真っ二つに叩き割られる等のゾンビの破壊描写アナログな特殊メイクで表現されていてとても良かった。
ボイラーで焼かれて黒焦げ状態になりながら分厚い壁ぶち破って飛び出して来たり、パトカーと列車が激突して橋から落ちてもしぶとく追い掛けてくるターミネーターばりのしぶとさと手強さ見せてくれます。火達磨にされてもなおしぶとく主人公に迫って来て、墓穴で繰り広げられる火達磨ゾンビとの格闘戦はファイアースタントも見応えありました。生前セクシー美女だったゾンビはベッドの下に隠れた主人公にボタン外しながら迫ったり、リーダー格が主人公ウッドチッパーに放り込もうとするの止めようとしたり主人公に執着してたな。
ゾンビから逃げ回り、戦い、助け合う中でアーチ―とチャーリーの関係性が友人から恋人に変わっていく所もベタながら爽やかでいいですね。最後のハッピーエンドも青春物って感じで爽やかな後味残してくれていい。
青春映画としてもゾンビ映画としてバランスよく纏った良作ですが、ゾンビ物とわかりにくいタイトルと日本版の地味なジャケで損してる感ありますね。見られるのがVHSだけというのも残念ですね。何処かでDVD化してくれないものか…