すごくサプライズがあるとか、王道から外れる展開があるとか、派手さはないんだけど、丁寧に作られていてとても良かった。
映画内のCGはやや古い感があるなか、ウィンターに義肢を当てる部分のCG演出は、2020年に見ても美しさがあると感じた。「イルカのための義肢の技術」という長い時間と思考をかけたものを、あの演出だけで伝えよう、という強いこだわりがそう見せたんだと思う。
マリンホスピタルで生きる生物と人間、クレイ医師と家族がどれだけ海と密接に生きているか、だんだんと画面に現れるさまざまな義肢装具を着けた人びとなど、たぶん実話を基にした映画ならではの「現実を凝集して伝えよう」という感じが、画面の端々から伝わってくる。それがこの映画をとても丁寧に見せているんだと感じた。
ラスト、こどもたちが次々に橋から海へ飛び込むシーンが、途中であった神話のエピソードと繋がっていて、そこでとても感動した。
いい映画でした。有難う御座いました。