稀

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌの稀のレビュー・感想・評価

4.5
画家になりたいネズミと音楽家になりたいクマが逃亡生活を送る話。

監督が3人いるのでオムニバス形式かと思っていたら1本の長編だった。手描き&水彩画風のタッチが心地良い。地上のクマと地下のネズミの生活が対比されており、歯が文明の要というのが面白いし、世界観もしっかり作り込まれている。
セレスティーヌとアーネストの交流が丁寧で、仲良くなるのに段階を踏んでいた。後半はかなりふわっとした終わり方になってしまったものの、ネズミの大群が押し寄せる逃亡劇は大迫力だし、季節の移ろいをアートで表現していたりと、ビジュアル的にとても満足できる作品だった。似たテイストの『かぐや姫の物語』よりも先に公開されていることにも驚いた。
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