tiimi

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌのtiimiのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

フランス語を勉強していてアマゾンプライムで映画を調べていたらこの映画が出てきた。星の評価は高いけれど絵のタッチが全く好みじゃなくて見る気起きなかったが暇だったしフランス映画ということだけでちょっと見てみるかという軽いノリで見てみた。
観賞後、数時間前の自分を褒めてやりたいと思った。見てくれてありがとう!
絵のタッチも途中から大好きに。
被写体は大体アップで描かれることが多いがこの映画は遠目で小さく写すところが頻繁に出てくる。ちょこまかと動く絵がもう可愛くて可愛くて。
そしてやはり芸術の国フランス、美しい場面を作るのがとても上手い。アートだな。
だが、ただ美しく可愛いだけの映画ではなかった。
差別、貧困など見る人の心に訴えかけるストーリー。
車や歯を盗んだ場面が好きじゃないという意見も見たがそれをただの主観で「好きじゃない」で終わらせてしまうのはいかがなものだろうか。
なぜそうせざるを得なかったのか、世界で窃盗を犯してしまう子供達の環境を考えると平和な国でアマゾンプライムを見ている立場で「あの場面嫌だわ~」と軽々しく言えないのではないだろうか。いやこういう恵まれた環境だからこその平和ボケな意見なのかもしれない。
世間から弾かれて家族もおらず食料もなく生きていくルールに縛られて。
可愛い物語なのにだんだんと胸が苦しくなり涙も出てきた。
終盤、裁判官が己の正義に燃え上がっていて目の前の悲劇に気づかないシーンもとても心にきた。炎が消えると一人ぽっちだったことに気づく。皆は簡単に裏切り逃げ出すのである。
世界平和なんて無理だよな、、と思った。最後はハッピーエンドでよかった。
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