★1990年に続き2回目の鑑賞★
1944年の作品だけあって先日観たヒッチコック作品「逃走迷路」と同様に、戦時中のプロパガンダ映画の趣が強い。戦局が見えてきていた大戦終盤の製作であるためか、本作ではドイツ兵を直接的に悪者として扱っているところは興味深い。
一つの救命艇に8名の大人が乗り込み、カメラはそこから動かないので完全な密室劇。
色々な人間模様も織り交ぜ、一番頭脳明晰で体力も十分というただ一人乗り込むドイツ兵がいいアクセントになってサスペンス的要素もあり、100分弱という時間を飽きさせないのはさすがはヒッチコックというべき内容だが、小さな船の中という移動範囲ではさすがに動きがほとんどないので、サスペンス的内容などの振れ幅は限られてしまう。