TsubasaYamamoto

チャーリング・クロス街84番地のTsubasaYamamotoのレビュー・感想・評価

3.7
アン・バンクロフト演じるNYで暮らす女流作家へレーヌは、なかなか手に入らない本のリストを新聞広告で見つけたレアな本の扱いがあるロンドンの古書店に注文の手紙を出し、そこからアンソニー・ホプキンス演じる古書店主フランクとの文通がはじまる。
注文と発送・請求のやりとりを超えた、20年を超える互いへの尊敬と親しみの応酬は、ユーモアと知性の溢れた独特の愛情のやりとりに見える。

手紙だけでなく、タイプライターの味や古書(とりわけ中古という意味で)の良さ、時代背景、男女の恋愛や会うことだけではない関係性への深み…様々な噛み締めができた作品でした。

面白いのは、段々と互いの心の?距離が縮まっていったら、もう手紙を介さず互いにカメラ目線で相手に語り出すようになる点。カメラに向かって話す手法は観る人にどきりとさせ、突然自分も映画に参加したような臨場感に誘われる。NETFLIXオリジナルの海外ドラマ、ハウスオブカードでも同様の手法が取られていて、ドキッとするんだよな。目が離せなくなります。

・共感したセリフ
I love inscription on flyleaves and notes in margins. I like comradely sense of turning pages someone else turned and reading passages someone long gone has called my attention to.