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愛する人のmmkのレビュー・感想・評価

愛する人(2009年製作の映画)
4.5
この監督の作品、すごく好きです。
台詞やカットが本当に日常に潜んでいそうなリアリティに溢れてて、そんな中で何気ない一言で人の心が動く瞬間をとても鋭く捉えています。

エリザベスの周囲の人間関係の形成の仕方にすごく自分と通じるものを感じてしまった。
傷ついてしまったから、自分を強くして誰にも頼らないように信じないようにして生きていくしかなくって。周りの同世代のヘラヘラした女の子達見ると無性に腹が立って威圧的になっちゃったり、よく自分のこと知らないくせになれなれしくされると妙に腹が立って余計に突き放したり。
けど、本当は心の底ではすっごく寂しくって、どうやってその寂しさを埋めていいのかがわからない。根を下ろして深くコミットするのがすごく怖い。ハリネズミのジレンマみたいに誰かを傷つけないように、むしろ自分が傷つかないように付かず離れず距離をとる。
一連の出来事を見てて彼女の心の動きが手に取るように分かってしまって、どうか幸せになって欲しいと強く願ってたけど、、、、、

カレンの母親との関係も苦しかった。悲痛な泣き顔に涙が止まらなかった。運命のいたずらって、ほんと残酷。
悲しい結果ではあったけど、最後にはカレンの元に穏やかな小さな幸せが残ってくれて本当に良かった。

最後のネックレスを託すシーンで涙が溢れました。

母親になることって、ごくシンプルなことでもあり、一方ですごく壮大で複雑で、とても神秘的なのだと、作品が伝えてくれました。
自分自身の生き方に共鳴するところが沢山ありました。
母になった時に観なおしたら、また新しく感じるものがあるのかもしれないです。
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